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130億売り上げるSam's ClubのCPOからの学び

AI時代にアメリカの大企業が求めている素養とは

みなさん、こんにちは

僕は今このレターをアーカンソーという田舎から大都会サンフランシスコに向かう飛行機の中で、前の人の座席を極力揺らさないように書いています。

配信している今はもうすでにスタンフォードについて以前デザイン思考について書いたときにも触れたd.schoolで学んでいて天気はよくスタートアップに熱い人が多くて刺激的な毎日を送っています。シリコンバレー周辺のスタートアップ界隈の知り合いや日本人とのコネクションを広げたいと思っているので、もし、本レターを呼んでいて、近辺在住の方はぜひ返信ください!

Stanfordの景色

トラベル等で配信が遅くなってしまい申し訳ないです。

今週のレターの中身ですが、以下のようになります。

  • Sam’s ClubのCPOと話した中での学び

    • AI時代に今大企業が求めている人材

    • AI時代における問題定義とゴール設定の重要性

  • どうやってありったけの機会に恵まれる人間になるのか

ぜひ、ゆっくり楽しんでいってください。

Sam’s Club CPOからの学び

大学院のプログラムを通してSam’s Club(Costcoのライバルです)というかなりの大企業のCPOとExperience Strategyのヘッドにあってプロダクトマネジメントや開発について話す機会があり、その中でプロダクト関係なく新鮮に感じる洞察がいくつかあったのでシェアしていきます。

AI時代に今大企業が求めている人材

Sam’sのCPOにこの質問を投げかけたところ、返ってきた解答が意外だったので話します。

何が意外だったかというと、思った以上にAIに関する知識やスキルについて触れなかったことです。

では、彼が何を重視していたのかというと、以下の3つの素養です。

  1. 好奇心:ちょっとした「気になる」をなんとなく流さずに徹底的に問い詰めて、学びづける力

  2. ストラクチャーのある思考:数字や論理を的確に駆使して自分の考えをフレームして出力する力

  3. 自信と謙虚さ:自分独自の理論やスキルに自信を持ちながらも、相手から学ぶ意識を持ち続ける力

特に1と3は強調していたのが印象的でした。

そして、さらに興味深かったのは彼以外にも大企業やユニコーンで働く知り合い数人に全く同じ『AI時代にどんな人材が必要とされ、活躍できるのか?』という質問をしたのですが、組織の中でリーダーの位置にいる人は総じてAIスキルよりもビジネス面でいかに組織をまとめあげながら利益をあげていくのかというMBA的なスキルと好奇心を重要視していたところです。

逆に、Individual Contributor(リーダーではなく、個人で会社に貢献している人)はみんな口を揃えて「AIに関連するスキルを身につけて、仕事で使いこなせ」といっていました。

さらに言えば、院のプログラムを通して読み漁ったスタートアップについてのケーススタディを見ても、重要とされているのは個人の特定のスキルではなく、『好奇心に素直に向き合い、愚直かつ効率的に失敗しながら学べる人』ということが強調されています。

これを持って何を言いたいかというと、結局は好奇心を無視せず、常に学んでいく。そして、失敗してもそこから学び、時には素直に人に助けを求める。こうすることで、技術がAIであれなんであれ身につくし、そもそもリーダーになるなら技術以上にこういった素養を伸ばすことに集中したほうがいいということです。

ちなみに、時代や技術に関係なく、変化を飲み込み生き残っていく力」については以前もう少し深掘りしたレターを書いているので、まだ呼んでない人はチェックして見てください。

AI時代における問題定義とゴール設定の重要性

Sam’sのCPOと話した中で、もう一つ面白かったのが問題定義の重要性の強調でした。

僕が訪れたのは新しいSam’s Clubが新しく建てたイノベーションセンターなのですが、要するに今のプロセスを見直しながらプロセス向上の亜ための新しい施策をテストしたり、これまでなかった全く新しい機能やシステムをテストする場所なので、このイノベーションがどう起こっているのかを見せてくれたのですが、1時間半のツアーの中で彼が一貫して強調していたのがProblem Statementの重要性でした。

Problem Statementはこれだけでかなり深い内容ではあるので気になる方はリサーチをして見て欲しいのですが、簡単に言えばチームや会社といった組織がこれから何に対して取り組むのかを明確かつ簡潔に表した一文のことです。

簡潔にチーム全員がどんな問題意識を持ってどんなゴールに向かっているのかを知ることが重要なのはなんとなくわかると思いますが、僕が面白いと感じたのは彼のこの発言です。

「全ての分野でphD並みかそれ以上の知識に数タップでアクセスできて、尚且つアイデアを形にするのもAIが数秒でコードを書いてしまう今、つまりSolutionを作るのがこれまでとは比にならないレベルで簡単になった今、『どんな問題に向き合っているかどうか』こそが真に重要で、これがビジネスの成功を分ける」

アインシュタインが言ったとされる言葉にはこんなものもあります。

「仮に俺が亜ある問題を解くのに60分与えられたら、55分を問題の理解と定義に使い、残りの5分を解決策実際に取り組むことに使う」

スタートアップやプロダクトマネジメントで耳タコで聞かされるのは「どんなにいいプロダクトでも実際に人が抱える問題を解決して、人に使われないとゴミ」です。

どれも共通して、『正しい問題に取り組むこと』の重要性を共通しています。そして、Toddの言うように解決策に対する時間がかからない今、本当の意味でフォーカスすべきはこの『そもそもの問題の定義』です。

そして、これはスタートアップやプロダクト開発だかに当てはまるものではなく、個人レベルのビジネスや普段の生活にも適用できます。インターネットで誰でも情報にアクセスでき、AIをはじめ安価で使えるデジタルツールで誰でも何かを創造でき、SNSで誰もがそれを発信できる今、重要なのは自分にとっての重要な問題を絞ってそれらに本気でフォーカスすることです。

最近、院が始まり、明日からはスタンフォードで他のプログラムが始まり仕事と合わせて3足の草鞋になった今僕自身もこれについて毎週単位でフォーカスを絞るようにしています。

本レターが皆さんも、仕事や普段の生活で「正しい問題にフォーカスできているか」について今一度考えてみるきっかけになればいいなと思います。

来週は「どうやってありったけの機会に恵まれる人になるか」について話す予定です。

それでは、今週はこの辺で!

Have a nice week!

Toma

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