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アメリカ現地就職とビザの壁を越え、トップ0.03 %へ──3 ヶ月で面接を呼び込むロードマップ (Part 1)
TOMA THEORY
こんにちは!
昨日のメールでお伝えしたように今回のニュースレターでは僕がアメリカにきて最も苦戦した「アメリカ現地就職」についてです。
アメリカ現地就職に関して、実体験から得た再現性と効果の高いノウハウを届けます。
ただ、気合が入りすぎた結果、全体としてかなりのボリュームになってしまいました。読みやすさを優先して 2 回に分けて2週にわたってお届けします。
なので、今回はPart 1で来週の土曜日にPart 2を送ります。
それでは本編をどうぞ!
何十社に応募しても、返信すら来ない。
返信が来ても、AIが作った "Unfortunately…" で始まるオート御祈りメール。
気合いを入れてスーツを着てレジュメ持ってキャリアフェアに行っても、留学生はまず相手にされない。
Visaのスポンサー?そもそも就労ビザすら持ってない。
この事実を話した瞬間ほとんど決まっていた内定が一本の電話で取り消される。
会計専攻の日本人の友達は2年生の時点ですでにBig4の日本人部署の内定をもらっていて、卒業後はシカゴやニューヨークで仕事をすることが決まっている。
自分より明らかに実力もないアメリカ人はそれでもインターンを手にして内定も決まっているやつすらいる。
GPAはある
スキルもある
英語だってネイティブに負けじと話せる
〜200件もアプライした(正直もっと多くにアプライしたと思う 笑)
けど、内定は取れないどころか現地でのインターンすら取れない。
やっぱり、田舎の学校じゃなくて、UCLAやHarvardのような名前のある大学に行ってないとダメなのか。
起業してたり、すでにビジネスをしてるような実績がないとダメなのか。
大学2年生の年が終わり、3年になる前の夏、アメリカで現地就職したかった僕はまずインターンを取ろうと躍起になっていたのだが、全くもってうまくいかずイラついていた。
アメリカで現地就職ができないとなると、残される選択肢としては2つ:
アメリカや世界中で英語でバチバチ働くのを諦めて、日本で働く
100万以上借金して、学生ビザの期限を伸ばすためだけに対して興味もない院に行く
どちらも耐えきれなかった。日本で働けば結構いい会社に入れただろうし、そこそこ楽しかっただろうが、自分はアメリカで働きたかった。
そんな時にふとコーヒーショップでぼーっとしていた時に思った。
「そもそも、200件も出して何も帰ってこないってことはやり方が間違ってる。外国人だから、有名な大学に通っていないから、ってのはただの言い訳で本気でアメリカで就職しようっていうリサーチが、スキルが、経験が足りないだけなんじゃないか」
この日からアメリカで現地就職がうまくいかないことは全て自分のせいで自分の実力が足りないからかもしれない。
ただ、やり方さえわかってしまえば勝ち筋はあるはずと思い、徹底的にリサーチを重ね、考え得る作戦を片っ端から試した。
結果、
3ヶ月後にはアメリカで就職するまでの明確な道筋を見極め、
6ヶ月後にはアメリカで現地のインターンをゲットし、
卒業するまでの2年間で5つのインターンをし(うち4つがアメリカ)、
応募すらしてないのに、企業の方から「面接を受けないか」と言われるようになった。
卒業前に地域で最も勢いのあるスタートアップでプロダクトマネジャーとしての内定を取れた。
Xをはじめオンラインで自分の経験を元に発信し出してから、最もよく聞かれるのが
「アメリカで現地就職したいのですが、どうしたらいいですか?」
という質問。
話を聞いてみると、
そもそも学部卒でアメリカで就職した日本人がいない
アメリカで現地就職したいが参考にできる話が少ない
有名大学に通っていないが、それでも現地就職できるのか
といった疑問や不安が多い。
ということで今回のレターではこれらの疑問、不安を払拭して
「アメリカで現地就職できそうにない。そもそも何から始めていいかわからない」を「俺・私でもできる。とにかくここから始めてみよう」へと変えて行くためのアメリカ現地就職ロードマップを紹介する。
このロードマップは僕が実践してきたものに加え、同じ大学に通っている後輩も辿ってきた。そして、しっかりと実践した人は分野限らずアメリカで現地就職しているので客観的に分野とわず参考になる。
知らなきゃ勝てない、アメリカ現地就職の仕組み ー「内定が取れないのは、外国人だからじゃない」
海外大にいる日本人学生が陥りやすい罠として、日本の就活の常識や攻略法をアメリカでの就活に使おうとすることが挙げられる。
最近だと、日本の就活もアメリカのものに近づいてきているところはあるが、それでもいまだに日本とアメリカだと就活の常識は異なり、それにあった攻略法を実践する必要がある。
アメリカ式採用で押さえておくべき点は主に3つ:
“必要な時に、必要なスキルを持つ人” をピンポイント雇用
長期インターン → そのまま採用が王道ルート
面接以前に「面接枠を取れるか」が勝負
新卒に対しては日本の会社のように面接で個人のバックグラウンドやポテンシャルを伺うような質問ばかりされないし、コツを覚えて点数を取るだけの意味のないIQテストのようなものはない。
新卒をまとめてポテンシャルで取って育てていく日本の企業と違って、アメリカの企業は新卒でも求められたことをすぐに始めれる即戦力を求めている。
要するに働きたい分野、狙っている特定のポジションに必要なスキルと経験をまず身につける必要がある。
3年の時から応募を始めて一斉に面接をして雑多に人を集める日本とは違い、まずは2・3年の夏休みや在学中に長期インターンを行い、そこで期待通りの成績を収めればそのまま採用するというのが最も一般的。
つまり、新卒として就職先を決めるにはまずそこでインターンを取る必要がある。(同じ会社で働かなかったとしても同じまたは似たポジションでのインターンの経験は必要)
アメリカ就活の鬼門:「面接までたどり着けない問題」
インターンにしろ内定にしろ、アメリカでは面接を取ることがまず相当難しい。
海外大にいて日本人が日本企業相手に就活しているのをみると、そこまでスキルや経験がなくてもボスキャリにさえ行けばそれなりの名前のある会社の面接が取れる。
これに慣れて面接くらいは余裕で取れると過信すると痛い目にあう。
アメリカでの現地就職で困っている人のほとんどが抱える問題は”内定が取れない”のではなく、”面接が取れない”であり、いかにここを攻略するかが鍵になる。
それなりの数の日本人をはじめInternational学生を見てきた中で現地就職した人で「面接で苦戦した」と聞くことはほとんどない。
みんな口を揃えていうのが「とにかく面接が取れなくて苦労した」。そして、僕自信も同意しきれないくらいにこの問題の重さや辛さを自覚している。
のちに詳しく説明するが、そもそもアメリカの雇用市場に出ているポジションのうちおよそ99%はビザのスポンサーをしていないとも言われており、とりわけここ最近はトランプ政権の影響もありさらにビザーをスポンサーしない会社が増えている。
ビザが必要ないアメリカ人ですら書類選考などを潜り抜け実際に面接まで辿り着くのがおよそ3%と言われていて、だいたい30人に1人の割合になる。
まとめると
アメリカでの就活でほとんどの人が苦戦するのが面接をゲットすることであり、内定を手に入れるためにはまずインターンシップを取るのが最善手。
ただ、留学生にはビザが必要というハンデがあり、これを加味すると統計的にはアメリカ人より留学生のアメリカ就職は100倍難しい
こういった背景を知ればなおさら、「アメリカ人の方が有利に決まってる。」や「Internationalにとてのアメリカ現地就職は無理ゲーだ。」そう、思うかも知れない。
嘘はつきたくないのでいうが、現実問題めちゃくちゃ厳しい。が、これが現実。受け入れて、このゲームに参加するしかない。
紛れもなく、攻め方を知らないと勝てないゲームだが、攻め方さえわかれば留学生にもチャンスはある。
ここからは現実的に実践できる、名門校でなくても、200件以上断られても最終的にうまく行った僕が自身と後輩や友達の経験から導きだしたうまくいく可能性を格段に上げる方法について深掘りしていく。
なお、面接の攻略については今回は割愛する。というのも、面接の攻略法は分野や職種によってかなり異なるのに加え、留学生にとって最も苦労するのが面接を取ることなので、今回はそこにフォーカスしていく。
VSCフレームワーク:現地就職を決める3つの核要素
話したように、アメリカでの就職(特に海外大生にとっては)そもそも面接を取ることが最も難しい関門でここを突破しないと就職は見えてこない。アメリカで現地就職するために何が必要なのか?3つにまとめる。
Visionを固める:就きたい仕事を具体化する
Skillを証明する:プロジェクトで実績を作る
Communityを味方に:リファーラルを勝ち取る
この3つを意図的にデザインすれば、名門校を出ていなくてもアメリカ現地就職の道が拓ける。
① Visionを固める:就きたい仕事を具体化する
もう一度言う。アメリカでの採用は「ポテンシャル採用」ではなく「適材適所な採用」。日本のような一般職採用はほとんどない。
新卒向けの応募でも、必要なスキル・求められる経験・期待される人物像が明確に示されており、レジュメがJDに合わない人は機械的に落とされる。
感情で当たる作戦は通用せず時間の無駄。100件適当に応募するより、具体的なポジションに合わせたレジュメを出す方が効率的。
日本での就活以上に、どの会社のどのポジションに就きたいかを実際の会社名とJDの側面から明確にイメージする必要がある。
この段階では必要なスキルや経験がなくてもいい。重要なのは就きたい仕事のJDをもとにその仕事に就くにはどういったスキルや経験を持った人にならないといけないのかを確かめ、今の自分からそこに近づくまでの方向性を明確にすること。
アメリカ現地就職を目指したばかりの自分が200件、300件だそうが返事は来ないわ、お祈りメールしか来ないわだったのはこれが理由。
それまではなんとなく、とりあえずCSの人が行きそうなソフトウェアエンジニアやITコンサルのような仕事に応募してみればいいかといった軽い気持ちで無差別に尖りのないレジュメをばらまいていた。
そして、明確なビジョンがなかったために必要なスキルもよくわからずなんとなく適当にウェブサイトを作るための基本的なプログラミング等のスキルを勉強していた。
結果は先に述べたように悲惨。
しかし、アプローチを変えて、方向性を明確にしてからというものの身につけるべきスキル、必要な経験、それを得るための行動がはっきりして、行動しまくった結果、全てが好転した。
ちなみにこの話をすると以下のような言葉がよく返ってくる:
実際どんなポジションに就きたいのか明確にわからない。
職種はどうでもいいけど、ただアメリカで働いてみたい。
2の人に関しては、まさしくこんな人におすすめする道について本文の最後におまけとして触れているのでそこを読んでほしい。
1の人に関しては、はっきりいってそれはリサーチ不足なだけ。アメリカに留学しにきて、現地就職を目指しているならなんとなくこういうふうな仕事をしたいといった像くらいはあるはず。
このステップではこれをさらにほっていって、「なんとなくこういう仕事をしたい」を「〇〇社の〇〇というポジションが自分がやりたいことに近い(近そう)」くらいに解像度を上げられればそれでいい。
人は方向性がないと、行動を起こす原動力が起きない。どこへ向かっているのか明確な目標を手に入れることで迷いが確信に変わり、次の行動に進むことができる。
そして、アメリカ現地就職においては理想の会社での特定のポジションがその明確な目標となる。
② Skillを証明する:プロジェクトで実績と証明を作る
就きたいポジションとそれに必要なスキルや経験を把握できたら、いよいよそれを身につけていく。
のだが、その前に狙うポジション関係なく必ず必要になるのが英語のスキル。
必要な英語のレベル
アメリカで現地就職を目指す以上は避けては通れないが、「実際どのくらいの英語が必要なのか?」というのは誰もが持つ疑問。英語力は必須。ただし「話すだけで脳が疲れる段階」を超えていれば十分。文法に詰まる・聞き返される──これが残っているならまず潰すべき。
英語力強化については、別途まとめた記事を出す予定なので興味があればニュースレターに登録して待ってほしい。
スキル習得の落とし穴:「勉強」だけでは足りない
スキルの習得というと勉強を通して特定の技術や方法を理解をすることだと考えてひたすら勉強する人は多いが、これは "間違い” ではないが、多くの人が陥ってしまう落とし穴の一つ。
仕事をゲットする上で大事なのは「スキルを持っている」ことではなく「スキルを活かして成果を上げれること、また成果を上げた経験がある」こと。
レジュメを見た時や、インタビューの時、またネットワーキングイベントで業界のことについて雑談する場面でも気を引くのは "Java, JS, Python, Leadership, Facilitation, Agile, Excel VBA…" のようなスキルの羅列ではなく、
「NextJSとReactを使ったSaaSアプリケーションの開発の経験がある」といったようにスキルを使って何をしたのか・できるのかといった実務的な能力。
JDが示す必要とされている経験=スキルを組み合わせて使って成し遂げられること
スキル=知識+練習
知識=基本を理解する
スキルを磨くというと、スキルを身につけることを目的として勉強、練習しだす人が多い。これでもスキルは身につくが、スキルだけあったそれで何ができるのと言われた時にスキルの応用の経験が薄いといった人になりがち。
そこで、スキルを身につけながら、JDで必要とされる経験を身につけるために最適なのがプロジェクトに取り組むこと。
プロジェクトを通した実績作りの具体例
例を挙げると、Full Stack EngineerのJDに必要な経験として
Frontend:
- React
- Next.js
- TypeScript
- Tailwind CSS or styled-components
Backend:
- Node.js + Express
- Python + Flask / FastAPI
- SQL
- MongoDB or PostgreSQL
のようにスキルがリストされていた場合、これら全てまたはいくつかを使ったアプリケーションを作るというプロジェクトに取り組むといい。
エンジニア以外で例を挙げるなら
データアナリストを目指してるなら、データをスクレイプして綺麗にした後にtableauでダッシュボードを作る
UXデザイナーになりたいなら、既存のウェブサイトやアプリケーションをユースケースとしてUXデザインの観点からの問題を指摘→自分なりのより良いUXデザインを作り思考をまとめたレポートにまとめる
など、やりようはいくらでもある。
授業内のプロジェクトでもいいし、課外活動でもいいし、個人的なアプリ開発やポートフォリオ作成でもいい。
とにかく、JDに記載されているけど、今自分が持っていない経験やスキルを身につけられるプロジェクトに参加していくことで必然とスキルと経験は身に付く。
プロジェクトを終えたら、そのプロジェクトを通して得た経験やデザイン・思考のプロセス等まで簡単にまとめたレポートを作り、レジュメをアップデートし、LinkedInでシェアする。
こうすることでスキルが自己満で終わらず、実際にJDに記載されているスキルと経験を持っているという実績の証明とアピールになる。
就活において、スキル・経験・実績は持ってるだけじゃ意味がない。持ってることを証明、アピールして始めて意味を持つ。
面接で差をつけるチームプロジェクト経験の重要性
また、少なくとも1度はチームプロジェクトに取り組むことを強く進める。企業など外部の組織とのやりとりがあるプロジェクトだと尚良い。
面接も後半まで行くと、Behavioralインタビューといってチームといかにマッチしているかをソフトスキルやパーソナリティ観点からみられる。
この時にされる質問の中で頻出なのが「チームのメンバーと意見がすれ違った時にどう切り抜けたか」や「ステークホルダーをマネージする上でどういった困難を経験して、どう乗り越えたか」などの質問がくる。
この手の質問への回答に正解はないが、仕事で遭遇するであろう状況に近いことやそれに対する乗り越え方を実体験に交えて話さなければならない。この時にチームプロジェクトの経験があるとかなり話しやすくなる。
「どれくらいスキルを研鑽したらいいのか」
これもよく来る質問だが、基本的に就きたい仕事のJDにRequiredと明記されているものを7割方習得できたら、スキルの積み上げに費やすリソースは大きく減らしていい。
ここでいう習得とはそのスキルを使った経験、またはRequiredの経験に近い経験を得た状態。
Requiredなんだから100%カバーしないといけないと思いがちだが、それだと完璧主義者の罠にハマり、頭でっかちになりがち。
パート1はここまでです!
ここまででもかなりのボリュームがあったと思いますが、来週に送るパート2でいよいよ「” 面接をとる “ というアメリカ就活最大の課題とそれを乗り越えるための戦略としてどうコミュニティとリファーラルを手に入れるのか」といった話題について話していきます。
具体的なリーチアウトDMテンプレートまで書いているのでお楽しみに。
最後に、以下にパート1のおまけとして「業種は何でもいいからとにかくアメリカで働きたい」といった人におすすめのルートを紹介しておきます。
それではまた来週 👋
おまけ ー 業種とかは何でもいいからとにかくアメリカで働きたい人へ
「職種やポジションはどうでもいい。俺は(私は)とにかくアメリカで働きたいんだ」という人は以下の3ステップをフォローするといい。
専攻をAccountingに変えて、Accountingの基礎のクラスを終了する(2年までに履修する内容)
LinkedInや日本人ネットワークを通じて「アメリカ大学でAccounting専攻→Big4の会計」の経路でアメリカで就職した人を探して連絡をとる
ボスキャリでBig4のアカウンティングのインターンに応募する(1が終わってればどのタイミングでもいい)
このときに2で繋がった人にリファーラルをもらえないか聞く(聞かなくてももらえることも多い)
これでかなりの高確率でアメリカで就職できる。というのも、Big4にはアメリカでビジネスをしている日本の会社の税や監査を行なっている部署があり仕事の量に比べると、日本人でアメリカでAccountingを専攻している人が少ないという現状があり、このギャップを埋めるために上に載せたパイプラインで毎年それなりの数の学部生を雇っている。
実際僕の周りでも数えきれないほどこのルートでアメリカで就職している人がいる。Big4は日本を始め世界中にオフィスがあるのでOPTが切れてアメリカで働けなくなったときにそれらの国にトランスファーされることも多く、仕事を失わなくていいのもヘッジが効いている。
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