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創造しないやつに価値はない
If you don’t produce, you won’t thrive — now matter how skilled or talented you are.
朝出社ギリギリに起きて慌てて朝食を口へ詰め込む(朝食を食べる時間があれば)
出社してとりあえず同僚に挨拶して席につきなんとなく仕事をする
やっと仕事が終わったら家に帰り夕食を食べ、惰性でジムに行き、なんとなく携帯をいじって気づいたら12時を過ぎていたので寝る
(仕事の後に会社の付き合いがあればジムにいく暇もなくビールとおつまみで腹を満たして帰って気づいたら12時すぎって人の方が多いかもしれない)
身に覚えのある生活ですかね?
こんな生活を送っている人は多いのではないかと思います。
僕も数ヶ月前まではこんな生活を送っていました。
“If you don’t produce, you won’t thrive — now matter how skilled or talented you are. — Cal Newport”
そんな時になんとなくタイムマネジメントに関するベストセラー本「Deep Work」を読んだときに出会ったのがこの言葉でした。
日本語で言えば創造しないやつに価値はないといった感じです。
なんとなく仕事にいって、なんとなく会社のためにやらないといけないことをやって1日終わる。
この生活を振り返った時に気づきました。自分は何もproduceしていないなと
もちろん、プロダクトマネジャーとして会社で創るサービスやプロダクトには貢献していますが、それはあくまで会社のアウトプットで僕のものではありません。
そこで、何かを創るために1年前に何となく始めたけど放置していたツイッターとブログを動かすことを決意しました。
今回は以前のようにすぐに辞めてしまわないようにこのDeep Workを読んで得た知識をフル活用して自分なりのシステムを作りました。
その結果、今では
朝起きたら2時間程度散歩とライティングに費やしてクリエイティブな時間を過ごす(副業の時間)
出社前にはしっかりと朝ごはんを食べ、出社した時には明確に自分が今日何をするかを把握している
退社する時にはやるべき仕事は全て終えて、次の日出社したら何をするべきかわかっている
仕事が終わったらご飯を食べて明確なゴールを持ってジムに向かい、戻ってきたら読書で知識をインプットしてジャーナリングでその日の自分の思考を全て吐き出してスッキリした気持ちで寝る
といった生活に変わりました。
生活としては大きな変化ですが、生活を変えるきっかけとなったのはこの「Deep Work」という一冊の本から得た知識とそれをもとに自分なりに構築したシステムだけでした。
今回のニュースレターでは僕の生活を大きく変えるきっかけになった一冊の本、「Deep Work」からの学びとそれを活かして構築した1日の自分のパフォーマンスを上げるためのシステムについて話します。
Deep Work
Deep Work 本の中で筆者のCal NewportはDeep Workを次のように定義しています
Deep Work: Professional activities performed in a state of distraction-free concentration that push your cognitive capabilities to their limit. These efforts create new value, improve your skill, and are hard to replicate.
そして、冒頭でも話したように
If you don’t produce, you won’t thrive
とも述べています。
要するに
「新しい価値を創造しなければ成長することはなく、新しい価値の創造には一切の雑音をなくして脳をフル活用して仕事に取り組むDeep Workが不可欠だ」
というのがこの本のテーマです。
また、NewportはネットワークやSNSが発達し常に誰かと繋がっていて常に返信を求められるような現代ではますますDeep Workは習得が難解なスキルになっているとともにますます強力な武器になってきているとも述べています。
ハリーポッターの作者であるJKローリングスは家で作業していると子供の叫び声や犬の鳴き声といった日常の雑音で集中できなかったところから、エディンバラの高級ホテルにこもってDeep Workに徹したところ、最初は1日だけ家から離れて作業する予定だったがあまりに捗ったためそのまま2週間ほど滞在してハリー・ポッター最終章である「ハリー・ポッターと死の秘宝」を書き終えてしまいました。
また、マイクロソフト創業者のビルゲイツはDeep Workを駆使することで1974年に今のマイクロソフトの基礎となるプログラムを8週間で作り上げたことは有名です。
Deep Workの筆者であるCal Newportはジョージタウン大学で教授として生徒を教える傍らDeep Workを習得して活用することで1年で書き上げる論部の数を2倍にし、子育てをし、さらにDeep Workというベストセラー本を書き上げています。
流石に最初の2つの例はスケールが大きすぎますが、Newportの例はフルタイムで9-5時で働いている人が副業をしているのと何ら変わりはないですよね。
注目したいのは、Deep Workを習得することさえできれば誰でも自分の想像力や脳のキャパを最大限引き出してそれまで思っても見なかった成果を上げることができるということです。
では、忙しない現代でDeep Workを身につけるためにはどうしたらいいのかといったメソッドを見ていきましょう。
本の中ではいくつものメソッドが紹介されているが、本記事では僕が最も効果的だと思い実際に活用しているものを3つ紹介します。
もし、ここで紹介しているメソッドや具体例に興味のある方はぜひDeep Workを読んでみてください。
1. ディストラクションを意図的にスケジュールする
携帯やコンピュータの発展でいつでもインターネットにアクセスできる現代においてはunscheduled distractionが多すぎることはもはや誰の目にも明らかです。
何かに集中して作業を始めた時に友達からメッセージが来たとの通知が来てそれをチェックしたらいつの間にか他のアプリやWebサイトをチェックしていて気づいたら作業をせずに時間が経っていた
なんて経験は誰でもしていると思いますし、実際僕にもよくあります笑
こういったどこからともなく現れるランダムな小さなディストラクションであるunscheduled distractionはDeep Workの最大の妨げだとNewportは言います。
そこでこのディストラクションをあらかじめスケジュールしてしまおうというのがDeep Work習得への一つ目のメソッドです。
やり方は簡単でDeep Workを始めるときにメモか何かに次にスマホなどを触る時間を記しておいてその時間になるまでは集中したいことを一切携帯を触らないようにするだけ
要するに決まった時間一定のことだけに深く集中すればいいのですが、実際挑戦してみると意外と難しいです。
僕自身はこれを少しカスタマイズした方法をとっています。
まず、僕にとってDeep Workが必要なライティングという作業を始める際にTimetimerという時間の経過を可視化できる時計を机においておき、これを60分間にセットしておく。そして、60分間経過したらすぐに30分間巻き戻して合計で90分間経過するまでは席から動かずにひたすらライティングをする
そして、90分経過した時には一度席を外す。
こうするだけで、毎日最低90分間は自分自身の創造の時間に充てることができています。
その結果がこのニュースレターでありTwitterであり僕のブログ記事であるのだが、Deep Workの習慣をつけてからの1ヶ月で
ニュースレターを4つ公開し、購読者は0→18人
Twitterで意図のあるコンテンツを投稿するようになり、フォロワーは1000人→2020人
ブログ記事を5本公開し、月間pvは250→2,500
としっかりと目に見える形で結果が現れていると思います。
感覚的にも毎日90分間のDeep Workを取り入れるようになってから思考がよりクリアになり、ものを書く速度もかなり上がったように思います。
ちなみにDeep Workの時間に関してですが、作者はまずは30分から始めてみて慣れたら30分ずつ徐々に伸ばすとことを勧めています。
また、科学的には人間の深く集中できる時間は約4時間とされているようで、毎日4時間の集中まで持っていければDeep Workを極めたといっていいでしょう。
僕は1時間から始めて今では平日は毎日最低でも90分はDeep Workに割くようにしていますが、土日は90分間を休憩を挟んで2回の合計3時間はDeep Workに充てるようにしています。
2. Deep Workを儀式化する
NewportはDeep Workを習慣化する最も効果的な方法はDeep Work自体を一つの儀式として決まった日の決まった時間に行うようにすることだといいます。
そして、この儀式を積み重ねることでDeep Workに取り組むことをリズム化することはさらにDeep Workの習慣化を助けるとも述べています。
あらかじめ日にちと時間を決めておくことによってDeep Workに対するifとwhenを考える暇をなくすことでDeep Workを習慣化できるということです。
また、NewportはDeep Workを現実的にディストラクションを最も避けやすい早朝に組み込むことを強く進めています。
実際に僕自身Deep Workに充てる時間は朝起きてからの6時から8時までと決めていて、少しでも想像力を高めるために朝起きてすぐに30分間の散歩を挟むことでウォーキング瞑想をしてから90分のDeep Workに入るようにしています。
この儀式化をしてから数日は起きた時にすぐに散歩に行くのがきつい自分もいましたが、慣れてしまうと不思議なものでこのプロダクティブなDeep Workを楽しみに前日ベッドに着けるようになりました。
そして、創造という活動に毎日最低でも90分は時間を充ているのでブログ記事の数やニュースレターの質、またツイートするためのアイデアも湧いて来るのでアウトプットも確実に増えたように思います。
3. 寝る前のシャットダウン
Deep Work習得のための3つ目のメソッドはEvening Shutdownというもう一つの儀式です。
シャットダウンの文字通り、夕方から夜にかけて極力作業をせずに次の日のDeep Workに備えるための儀式で、やり方は至って簡単です。
その日にやったことを振り返り、その時に頭の中にある思考を全て吐き出し「はい、終わり」と自分の中でつぶやくだけです。
脳の研究では、想像力をフルで発揮して難解な問題への解決策を思いつくにはその問題について全く考えない時間を設ける必要があるとされており、その時間を設けるためには意図的に問題に対して自分のマインドをunconscious(無意識的な)な状態に持っていくことが重要だとNewportは述べます。
このunconsciousな状況は散歩に行くなどの運動によってももたらされるが、最も効果的なのは何も考えない状態での睡眠だとされます。
ただ、情報に溢れていてすぐにやりたいことやタスクが降ってくる現代人は常に「何かを終わっていない」また「最後までやり遂げないと」といった気持ちに襲われてしまい、何も考えないunconsciousな状態に入れない人は多いです。
そこで寝る前と睡眠中に自分が直面している問題やタスクについて考えないようにするために意図的に頭の中を空っぽにするのがこのEvening Shutdownという儀式です。
このEvening Shutdownはとにかく頭を空っぽにできればどんなやり方でもいいのですが、参考までに僕のEvening Shutdownについて話します。
僕はこのEvening Shutdownを少し延長して行うようにしています。
まず、仕事が終わってご飯を食べたら少し本を読んでジムに行木、ジムで何も考えられなくなるレベルまで追い込んで部屋に戻ってきたら、本を読んでインプットします。
そして、10時過ぎになり寝る時間になったらスマホはリビングに置いて寝室へ行き、ノートを取り出してその時に思ったことを書き殴って、最後に明日やりたいことを見直して「今日は終わり」と呟いて寝ます。
個人的なポイントはスマホを寝室に持ち込まないことと明日やることを全て見直すことです。
スマホをベッドに持っていくとついついSNSをチェックしてしまったりするので、寝室に行くときは寝ることだけに集中するためにスマホはリビングにおいいていくようにしました。
そして、明日やることは明日やると言い聞かせることで今日の頭を空っぽにでき、実際に小声で「今日は終わり」と呟くのも意図的に頭を空っぽにしたと自分に言い聞かせるという点では効果があると思います。
また、本業と分けて副業に集中したい人は本業を切り上げる時にこのEvening Shutdownを行うことを強く勧めます。
やることは全く同じで、5時くらいになり退勤時間が近づいた時に今日やったことを振り返り次の日にやらなくてはいけないことを全てリストに起こしてして「仕事終わり」などと心の中でつぶやく。
これをすることで机から離れた時から次の朝職場の机に来るまでは仕事に対して頭をunconciousにすることで次の日の仕事に対する問題解決能力が上がるだけでなく、本業と副業で全く違う脳を使う切り替えることもできます。
実際僕自身、1日の終わりにEvening Shutdownはブログやニュースレターの副業に対して、仕事の終わりにEvenig Shutdownは仕事に関して行うことで本業と副業のどちらに対しても生産性が格段に上がったと感じます。
以上がDeep Workの本質的な話とDeep Workを習慣化するための主な3つのメソッドです。
最後に冒頭で紹介した僕の1日の大まかなルーティーンをDeep Workを習得するためのメソッドをどう使っているかといった視点を持って振り返ってみましょう。
朝起きたら2時間程度散歩とライティングに費やしてクリエイティブな時間を過ごす(Deep Work)
出社前にはしっかりと朝ごはんを食べ、出社した時には明確に自分が今日何をするかを把握している
退社する時にはやるべき仕事は全て終えて、次の日出社したら何をするべきかわかっている (Evening Shutdown — 本業)
仕事が終わったらご飯を食べて明確なゴールを持ってジムに向かい、(Evening Shutdown)
戻ってきたら読書で知識をインプットしてジャーナリングでその日の自分の思考を全て吐き出してスッキリした気持ちで寝る (Evening Shutdown — 1日への)
といった感じで僕の1日の中に今回紹介した儀式がところどころに挿入されるのがわかると思います。
また、実際毎日2時間のDeep Workで僕がどれくらいの作業を終わらせているかというと、大体これくらいの6,000~7,000文字のニュースレターなら1日でアイデアだしと下書きを終えて次の日に下書きに手を加えて体裁を整えて終わりといった感じです。
ブログ記事も似たような感じで1日で構成と下書きを終わらせて2日目で自分のウェブサイトに載せるために少しデザインを整えてTwitterでのお知らせのスケジュールまで終わらせる感じです。
さて、今回のレターではタイムマネジメントに関するベストセラー本「Deep Work」の簡単な解説とそこから得た知識を活用して9-5の本業でも結果を残しながら副業でオンラインライティングでも結果を出せるようになった僕なりのシステムを紹介しましたが最後に一つ言わせてください。
習慣化は重要ですが自分に厳しくしすぎないでください
こういった習慣化に関するメソッドは知った上で自分の生活やコミットメントに合わせてカスタマイズしていくことが重要です。あまりに習慣化に固執しすぎて自分を縛ってしまって心が疲れてしまっては元も子もありませんからね。
実際僕もほとんど毎日この習慣で過ごしていますが、たまにはそこから外れてゆっくりすることもあります。何事もバランスは重要です😌
Deep Workの本自体はMIT出身のCal Newportが書いていることもあり、かなり中身の濃く読み応えがある本でしたし、本レターではDeep Workの習慣化といった天にのみフォーカスしたので、タイムマネジメントやプロダクティビティに興味のある方や少し難しい英語の本に挑戦したい方にはぜひ読んでみてほしいおすすめの本です。
また、Deep WorkをトラックするためのTimetimerもおすすめなのでもしよければチェックしてみてください。
それではみなさん素晴らしい一週間を!
トーマ
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