AI時代を駆け抜けるための戦略

AI時代は”生き残る”なんて受け身では置いていかれる

みなさん、こんにちは

5年ほど前に1,500ドルで買った車が路上で止まり、その後処理と車の修理で週末がまるまる溶けてしまい、レターの送信が若干遅くなりました。車は無事治りました。

僕は自分で車を修理できるほど技術はないですが、アメリカ退役軍人の彼女のお父さんが車の修理を手伝ってくれました。彼女父はなんのマニュアルも見ずに工具をいくつか持参して車を修理できてしまうのですが、このスキルと経験にはいつも驚かされます。

「車の修理ぐらい男ならできて当たり前だ」といつも言われるたびに、軽く笑って流していましたが、AIがプログラミングに入り込んできて、仕事がなくなってきている今、本格的に車の修理を学ぶ時が来たのかもしれません。

Train to be a plumber.

AIまたは機会が人間の配管工 (plumber) と同じレベルの物理的操作ができるようになるまでには、まだ長い時間がかかるだろう。だから配管工になるのは良い賭けだと思う

Geoffrey Hinton (God Father Of AI)

AIの超黎明期から最前線で研究しているGeoffrey Hintonがとあるインタビューの中で

「AI時代に私たちはどんなスキルを身につけて生き延びていけばいいのか」

という質問に対しての答えです。

彼は「ジョークで言ってるように聞こえるかもしれないけど、マジだよ」と言っていましたが、割と本気なんじゃないかと思います。

では、僕もこれから配管工になるためのスキルを会得しにいくのか。

Noです。

来週から本格的にアメリカでの院生活が始まる中で、

『AI時代がこれから加速していく中でどうやって”ただ生き残る”だけでなく、”波に乗って成功する”ためにはどうしたらいいか』

このトピックについて、2週間くらい色々と考えを巡らせた結果、自分なりのこれからのAI時代での戦略がまとまったので、今週のレターではこれについて話していきます。

AI時代を駆け抜けるための鍵は『希少性』と『波乗り』

まず第一にこのAIの波に乗らないのは愚かです。

むしろ、少しでも早く、このビッグウェーブに乗ってしまわないと、後から後悔することになるのはもはや自明なはず。

インターネットだってバブルだと言われ、株価を見ればバブルがはじけた時期もあったが、長いめ(とはいえせいぜい10年)で見れば結局は全てがインターネット上で行われるようになり、確実に世界は変わった。

インターネット黎明期にプログラミングやネットビジネスに乗った人はその業界で活躍することになった。

AI時代に年齢限らずに老害にならずに、子供のように新しいものに興味を持ち、とりあえず受け入れてみる姿勢はまず前提として必須になる。

『波乗り』に関してはこれ以上説明することは特にないので、もう一つの『希少性』に話を移す。

希少性=替えの利きにくさ

希少性を簡単に言い直すと、替えの利きにくさ。

この『替えの利きにくさ』はAI時代にも関係なく、その人の価値を高める上では重要だった。

他と自分を差別化することで自分の希少性を高めることができれば自然ともらえる給料は増えるだろうし、会社や社会などに引っ張りだこになる。

この事実自体は時代は関係なく当てはまるはず。

ただ、AI時代の希少性が特殊なのは、比較対象が人間だけでなく、AIであり、機械であり、そして何よりAIによって生産性がブーストされた人間であるところにある。

では、このAI時代に、AIや機械を含めた他と自分を差別化して、希少性を上げるのか?

2つの領域で希少性を上げる

  • クリエイティブ:競争を避ける

  • テクニカル:競争の中で上を目指す

クリエイティブとテクニカル、この2つの領域どちらか又は両方で希少性を上げていくことこそこれからの戦略になる。

それぞれについてもう少し深掘りする。

クリエイティブな領域で競争を避けて希少性を上げる

You can escape competition through authenticity, when you realize that no one can compete with you on being you. That would have been useless advice pre-internet. Post-internet, you can turn that into a career.”

Naval Ravikant

”自分なり”の独自性で競争を避ける。

こうすることで、根本的に競争を避けることができる。そして、競争を避けていることは同じことをしている人が少ないと同じで、これは希少性の高さにつながる。

こんな話をすると、YouTuberやインスタグラマーを思い浮かべて、自分はソーシャルメディアは向いてない、公にしたくないといった人も多いと思うが、別にこの独自性からくる希少性は公に発信しなくても武器になる。

仕事を取る上でも、重要になってくるのはコネクションやその人の人柄だったりする。

そして、こういった要素はその人がその人であることの意味、すなわちその人の独自性から産まれてくる。

同じインプットでアウトプットを何倍にもすることができるレバレッジになるといった点で、ソーシャルメディアを使わないのは勿体無いが、SNSの活用の有無は置いておいても、クリエイティブで、パーソナルな面で独自性を意識して活用し、希少価値を高めていくことは欠かせない。

テクニカルな領域で競争の中で上を目指し希少性を上げる

要するにGet Betterというわけなのだが、これまでのように年数だけでかさ増しされる経験を積み上げるだけでは圧倒的に置いていかれる。

では、どうやってこの領域で希少性を上げるか?

まず第一にプログラマーかどうか関係なく、AIに対して本当の意味での理解を深める。

インターネット時代にアプリケーションがどうやって動くのか、またどういった限界があるのかなどを知っておくことはあらゆる面に置いてその人の希少価値を高めた。

同じことがAIにも言えて、自分で開発しなくてもいいが、MLがどういったものなのかなど基礎知識は必須になる。

これ以外で希少価値を高める効果的な方法として2つ。

  1. 一つの領域で圧倒的に突き抜ける

  2. 自分の専門領域に近い領域でもプロになる

1つの領域で突き抜けるというのはソフトウェアエンジニアやプロダクトマネジャーのように、職種といった意味ではなく、その中で何か自分でこれといった強みを一つ持ってそこで圧倒的に輝くこと。

僕自身プロダクトマネジャーなので、この点で例を挙げるなら、BtoCに特化したUX/UIのセンスで尖ったり、医療関連の専門知識を活かしたプロダクト開発に精通したりすることで希少性は一気に高まる。

自分の専門領域に近い領域でもプロになる

これに関してまたプロダクトマネジャーの例を挙げるなら、プロダクトの構想を練るのに加えて、自分でデザインをしてしまう、又はプロトタイプを作ってしまうといったスキルをつけることで希少価値はうんと高まる。

プロトタイピングはこれまではエンジニアがやっていた仕事で、デザインにはプロダクトデザイナーが行っていた仕事。でも、AIで生産性が何倍にもなった今、時間や脳のリソースは余る。

この余ったリソースを自分の専門領域を保管するような領域でプロになることに使う。こうすることで希少価値は一気に何倍にも数百倍にもなる。

と、いった感じで

クリエイティブとテクニカルの2つの領域で希少性を上げることで、自分の価値は高まり、競争率が高まるAI時代で、ただ生き残るだけでなくノリに乗って上がっていけると考えます。

ちなみに2つの領域を必ずどちらも責める必要はないと考えていて、むしろどちらかで突き抜ける方がリターンは多いと考えます。リソースの観点からいっても、どちらか一つに集中した方が突き抜けられる可能性は高くなるでしょう。

でも、理想を言えばどちらの領域でも尖っていた方が強いのも事実。

このジレンマに対する僕なりの答えはこうです。

よりレバレッジが高いと思う方にリソースを割くことを前提として、副次的に余裕のある範囲でもう一つの領域を攻める。

で、例えば、AI関連のニュースを届けるYouTubeを育てるなら、AIの情報を入れたり、ツールに触ったりするのはあくまで本命のクリエイティブ領域のために、といった感じです。

僕の場合はアメリカにいるためには今のところ仕事はないといけないので、普通にプロダクトマネジャーとしてAI関連のスキルとデザインやプロトタイピングなどの周辺スキルでのプロを目指していきます。

その傍ら、趣味以上ビジネス未満の感覚でニュースレターやSNSを通してオンライン上の資産になるような発信を積み上げていこうと思っています。

これが僕なりのこれからの戦略とその裏付けです。

よければ、皆さんのAI時代の戦略についても返信やDM等で聞かせてください。

それでは今週はこの辺で。また来週!

ー Toma

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